浦和は14日、来季の新監督として前広島監督のミハイロ・ペトロビッチ氏(54)と基本合意したと発表した。また、来季からの巻き返しを図るために本格的な補強を打ち出した。選手層の薄いボランチには、イングランド2部リーグ・レスターのMF阿部勇樹(30)獲得に向けて正式オファーを出していることが分かった。さらに今季最大の課題だった得点力不足を補うため、神戸のMFポポ(33)の獲得も目指している。

 ミハイロ・ペトロビッチ監督体制のチーム作りを始める。13日午後、山道強化部長らが広島に出向き、直接交渉の末に合意した。契約年数は「1年1年見直して極力長くなってほしい」(同強化部長)と話し、単年契約にオプションを付ける見込みだ。また、同監督の通訳兼コーチの杉浦大輔氏も浦和に移籍する。ゼリコ・ペトロビッチ前監督の後を受け、J1残留を決めた堀監督には「コーチングスタッフに入るべきではないかなと思う」とし、ヘッドコーチの要請をした。

 交渉では補強も話し合われた。最大の補強ポイントは日本代表MF阿部のUターン移籍だ。既に正式オファーを出している。

 今季は主にMF鈴木、柏木が守備的MFで出場。高卒ルーキーのMF小島や、DF浜田もいるものの、ボランチは手薄。千葉から07年に移籍した阿部は、10年8月にレスターへ移籍するまで、主にボランチとして活躍した。今季、レスターでは出場機会に恵まれず、J復帰は十分に考えられる。

 さらに、得点力強化として、神戸MFポポの獲得にも乗り出している。ペトロビッチ新監督は、17日の天皇杯4回戦の愛媛戦を視察する予定。新監督が定まり、補強ポイントへの動きがスタートした。強豪浦和が復活するかどうか、この補強にかかっている。

 ◆ミハイロ・ペトロビッチ

 1957年10月18日生まれ、旧ユーゴスラビア出身。国籍はオーストリア。現役時代にはMF、DFとしてディナモ・ザグレブなどでプレー。80年にはユーゴスラビア代表(当時)としてW杯予選に出場。93年にSVペラウ(オーストリア)の監督となり、指導者歴を開始。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏がシュトルム・グラーツ(同)を率いた際にコーチを務め、同クラブで監督も務めた。06年6月に広島の監督に就任した。家族は夫人と2女。