同じ被災地のために一肌脱ぐ。仙台が来年2月にタイで“復興支援試合”を行う。2月中旬にタイへと渡り、地元クラブとの試合、ボランティア活動など3日間程度の短期滞在になるとみられる。10月から発生した洪水被害で今も苦しむタイのために、震災の痛みを知る仙台が立ち上がった。

 遠く離れた異国の地でも、「希望の光」を目指す。仙台が来年2月にタイの地元クラブとの試合に招待された。移動費、滞在費のほか出場料と賞金も出るというVIP待遇。今年2月には同様の形でJ2湘南がタイリーグ杯王者タイ・ポートFCとの親善試合に招待されている。仙台市はタイ国政府観光庁と連携協定を締結していることもあり、今回は仙台に声がかかったようだ。

 仙台のキャンプは例年通り1月下旬に鹿児島でスタートする。2月上旬には宮崎・延岡に移動し、中旬には第2次キャンプを打ち上げて宮崎市内へ。この宮崎に入った直後のタイミングでの渡航を見込んでいる。ただ、湘南が他の地元クラブとも練習試合をするなどキャンプを行ったのに対し、仙台は1試合のみ。あとは現地でボランティア活動をして3日程度で宮崎に舞い戻る“弾丸ツアー”となりそうだ。

 強行日程に加え、タイは猛暑。気候など環境の変化が選手のコンディションに影響を及ぼしかねないリスクはある。それでも「被災地同士、手を取り合っていきたい」とクラブ側は参加を決断。災害で苦しむ人たちに、少しでも元気を与えたい-。仙台の思いが海を越える。