新生G大阪の開幕布陣が固まった。15日、合宿地の宮崎・綾町でJ2岐阜と練習試合を行い3-0で快勝。右内転筋痛からの復活を目指す日本代表MF遠藤保仁(32)が今年初めて先発するなど、主力選手全員がフル出場した。今季から指揮を執るセホーン新監督は「このチームが開幕戦のベースになる」と断言。リーグ開幕神戸戦(3月10日、万博)に向け、チームの骨格が出来上がった。

 水浸しのピッチで、新生G大阪の「形」が見えた。土砂降りの雨が、小雨になっても足元はグチャグチャ。得意のパス回しでは、何度ボールが止まってしまったことか。序盤はリズムが狂い、J2の岐阜に攻め込まれる場面もあった。それでも、徐々にペースを取り戻していくところはさすがだ。後半からはパスもつながるようになり、自慢の攻撃力を見せつけて、確かな自信をつかんだ。

 最も大きな収穫は出遅れていた大黒柱の遠藤が、今年初めて先発フル出場したことだ。後半2分にはFWラフィーニャの得点をアシスト。時には最終ラインまで戻って守備をしながら、好パスを出し続けた。90分間の出場は昨年12月3日の最終節清水戦以来、2カ月半ぶり。さすがの遠藤も「さすがにバテました。バテるのは想定内ですけどね」と苦笑い。さらに「スムーズにいい感じにできたと思う。足の状態も悪くないです」と歯切れが良かった。

 リーグ開幕神戸戦は、まだ3週間以上も先だ。この日は先発11人全員がフル出場。この時期にしてはあまりの充実ぶりに、セホーン監督は「今日のガンバを見て、おそらくこのチームが開幕戦のベースになる」ときっぱり。故障離脱中のMF倉田、GK藤ケ谷に加え、加入したばかりの韓国人FWイ・スンヨルらも先発候補に挙がるが…。思わず開幕スタメンを漏らしてしまうほど、選手の状態と戦術理解度が上がってきた。

 10年に及んだ西野体制から、セホーン体制へ。生まれ変わったG大阪が、早くも開幕ダッシュへの準備が整った。【益子浩一】