CMでも主役を張る!

 札幌のFW内村圭宏(27)が20日、2次合宿地の熊本市内でメーンスポンサー石屋製菓のテレビCM撮影に臨んだ。チームは今季初の完全オフだったが、ただ1人休み返上で活動した。同社CMは過去FW中山雅史(44)、MF砂川誠(34)らチームの顔となる選手が担ってきた大役。昨季チーム最多12得点を挙げた点取り屋は、ピッチ内外で中心になる。

 売り出し中の背番号13が、ピッチ外でも爆走する。この日、熊本市内のグランドで行われた撮影は、大きなNGもなく予定通り約1時間で終了。モニターを見ながらディレクターと話す“主演”内村の姿は、若手俳優のように活気があった。大分時代の06年にバナナのCMに起用されて以来6年ぶりの挑戦。札幌加入後初となるCM撮影に「演技はサッカーと違って難しい。でも何とか無事に終わって良かった」と振り返った。

 結果が大役ゲットにつながった。同社CMは過去、FW吉原、ゴン中山らチームの顔となる選手たちが出演してきた。オファーを出した石屋製菓の担当者は「内村選手の昨季最終戦の2ゴールが印象深かった」と言う。昨季はチーム最多12得点。昇格を決めた東京相手の2発で、同社の気持ちをわしづかみにした。今回の選手の出演者は内村だけ。劇的なプレーでファンの認知度を一気に上げた。

 すべてに全力を尽くす男。この日は完全オフだったため、前日19日の北九州とのプレシーズンマッチ後、自由行動が認められていた。それでも「しっかりCM撮影に備えたかった」と、熊本市内でチームメートと馬肉の焼き肉を食べると、すぐに宿舎に戻り就寝した。「(CMに)選ばれたのはうれしいことだけど、これで結果が伴わなかったら意味がない。自分へのいいプレッシャーにしたい」。浮かれた様子はみじんもない。今度はJ1舞台で、石屋製菓の顔、札幌の顔にふさわしい結果を示す。

 新CMは3月上旬から民放各局で流され、10日の開幕磐田戦会場の札幌ドームでも流れる。テーマは「ALL

 FOR

 ONE」。19日の北九州戦で初の実戦をこなすも無得点に終わった。「自分を含めて、もっと高い位置でボールを奪えるようにしていければ」。結果はお預けも、J1バージョンへの青写真は見えている。エース内村の決定力を軸に、ここからチームを1つにまとめ上げていく。【永野高輔】