「ミスターガンバ」ことG大阪の松波正信新監督(37)が、崩壊状態の守備陣にメスを入れた。初陣となるアウェー新潟戦(31日)に向け、28日は大阪・万博練習場で実戦調整。練習後に主力守備陣を呼んで、30分超も緊急の青空ミーティングを開いた。セホーン体制で臨んだ今季は公式戦5戦全敗で計12失点。超攻撃を看板に掲げる青年監督だが、まずは守備から再建への道を歩み出した。

 37歳の若き指揮官は動きが早い。就任後2回目の練習を終えた昼下がり。ドカッと芝生の上に座り込むと、主力DFの今野、中沢、藤春を呼んだ。ホワイトボードを使いながら意見交換する。晴れ空に雲がかかり、大粒の雨が肩を打っても“緊急会議”は終わらない。30分以上も話し合った。

 「この前(磐田戦)の失点でもオフサイドをかけるか、かけないかで、どうなの?

 というところがあった。(相手FWに)飛び出された時はついていく。もちろん早く飛び出された時は、オフサイドを取りに行ってもいいんですけど。位置の確認をしました」

 超攻撃を看板に掲げる指揮官だが、まずは守備陣にメスを入れた。チームは今季5戦12失点。25日磐田戦では相手FWをオフサイドだと思いこんで、しっかりマークに付かず2点を失った。攻撃の基盤は、まずは堅実な守備から-。いかにも「5-3より、5-0で勝つ」と所信表明した新監督らしい。

 「ミスターガンバ」と呼ばれる青年監督の、熱い思いはすぐに浸透した。今野は「セホーン監督のことを悪く言うつもりはないけれど、ただ今日はいい練習ができた。基本的なことを思い出すメニューでした」。“青空会議”には加わらなかったが、MF遠藤も「守りは守備陣だけでやるものでもない。しっかり狙いどころを確認しながら、組織的に守れば失点は減ると思う」。リーグ16位からの巻き返しへ。松波新監督に導かれ、G大阪の逆襲が始まる。【益子浩一】