公式戦3連勝中のエスパルスと開幕から無傷のジュビロが激突する。好調同士となった今年最初の静岡ダービー(14日、アウスタ)は藤枝東出身の若き司令塔に注目だ。清水のルーキーMF河井陽介(22)は7日の神戸戦でプロA契約締結条件の通算出場時間450分に到達。正真正銘の「プロ」として最大のライバルに立ち向かう。1歳上の磐田MF山田大記(23)は開幕から巻き続けるキャプテンマークの重みがプレーの精度を上げている。

 河井が、アウスタで迎える自身初の静岡ダービーを特別な試合にする。10日、チームは午前、午後の2部練習で調整に励んだ。河井は、7日の神戸戦で痛めた左足首の大事を取って別メニュー調整したが、木曜日からは全体練習に合流する予定で「まだ腫れがあるので。でも、磐田戦は大丈夫です。試合に出場できるように監督にしっかりアピールしていきます」と、力強く話した。

 最大のライバルを迎え撃つ戦い。河井には、さらに燃える理由がある。名古屋との開幕戦から公式戦5試合で先発出場を続け、前節神戸戦でプロA契約締結条件に到達した。プロとして1つのステップを刻んだ直後の試合。自然と力が入る。「ここからが大事。試合に出たというだけで、まだ結果を残したわけでもない。最初の試合がダービーだし、良いプレーをして勝てれば印象に残る」と力を込める。

 今季、磐田とは鹿児島キャンプ中のプレシーズンマッチで対戦。河井のクロスからオウンゴールを誘い、1-0で勝利をつかんだ。だが、磐田は開幕から7戦無敗と好調を維持するだけに油断はない。「あの時のジュビロよりも強いと思う。山田さんから来た電話でも、少し余裕な感じが伝わってきたので…」と警戒する。

 ただ、譲るわけにもいかない。チームは現在公式戦3連勝と上昇気流をつかみ、伝統の一戦を制すればさらにその勢いは加速することは間違いない。河井は「絶対にジュビロには負けたくない」と、語気を強める。勝つための最高の準備を整えていく。【前田和哉】