<ナビスコ杯:清水1-0横浜>◇1次リーグ◇18日◇アウスタ

 清水が公式戦5連勝を飾った。高校3年生FW石毛秀樹(17)をはじめ、10代が2人先発出場する若きオレンジ戦士が、横浜ゴール前で何度も逃した決定的チャンスを後半31分、FWアレックス(28)が物にして均衡を破った。

 初戦の新潟戦でクラブ公式戦最年少出場記録を更新した清水の「超新星」FW石毛が、この日も臆することなく積極的に横浜ゴールに向かった。前半36分、果敢な突破がゴール前でFKを誘い、決定機を演出した。その後も激しいタックルを受けながらも、屈しなかった。

 試合前、石毛は通学する清水西の授業を受けてから会場に入った。ゴトビ監督の方針もあり、学業もおろそかにしない高校生Jリーガーの奮闘に、チームも徐々に流れを引き寄せていった。同41分にFWアレックスがゴール前フリーで左足を振り抜く、後半に入っても攻勢は続く。同25分には右サイドを抜け出したFW大前のクロスに途中出場のFW高原が合わせた。いずれも得点には至らなかったが、待望の先制点のにおいは確実に高まっていった。

 後半31分、待ちに待った先制点が生まれる。DF李のパスを受け取ったFWアレックスが相手GKの動きをよく見た絶妙なループシュートを決めた。序盤から決定機を逃し、何度もため息を漏らしてきた8753人のサポーターが、ついに歓喜の瞬間を迎えた。

 GK山本海人(26)を中心とした守備陣も安定した守備を続け、この1点を死守。ナビスコ杯2戦連続完封を飾った。若手と主力メンバーががっちりとかみ合い、チームはこれで公式戦5連勝。勢いが止まらない。【前田和哉】