清水のDF平岡康裕(25)が、首位浮上の懸かった次節12日のホームC大阪戦に向けて闘志を燃やした。前節の仙台戦で退場したカルフィン・ヨンアピン(25)に代わってセンターバックでの先発が有力。仙台戦後、1日のオフを挟み練習を再開した8日は、6対6のミニゲームで主力組に入るなど、安定したプレーを披露した。

 不安は何もない。主力組でプレーしたミニゲームで平岡は、大きな声で指示を送り、自分を鼓舞するように激しい守備を繰り返した。午前、午後の2部練習を終えた表情は、自信すらみなぎっていた。「いつでも出られる準備はしてきた。チームの良い流れを消したくないし、自分が出て負けるわけにはいかない。完封で勝つ」。話す言葉にも迷いはない。

 今季、始動直後の香港遠征からCBとして先発出場。帰国後の2月10日の杭州緑城(中国)戦から331分間無失点を継続。鹿児島キャンプ中の城南一和(韓国)戦ではセットプレーから打点の高いヘディングでゴールも決め、開幕への準備は着々と進んでいた。しかし、開幕直前の練習で左足首を捻挫。定位置を外された。

 それでも悔しさを押し殺し、リハビリに専念。全治4週間の診断よりも約10日早く復帰を果たすと、開幕後は先発したナビスコ杯で2試合連続の完封。4月28日の東京戦、前節仙台戦でも退場者を出した劣勢の局面で守備固めとして勝利に貢献した。コンディションも本来に戻りつつあり「少ない時間でも試合に出ていたことが大きい。いつも通りやればやられる気はしない」と手応えを口にする。

 開幕から6戦全勝と好調のホームで迎え撃つC大阪とは、昨季3度対戦。平岡は3試合全てに先発出場したが、1勝どころか3試合で9失点と屈辱的な負けを喫した。平岡は「1発目の対戦で去年のエスパルスとは違うところを見せたい。チームにとっても、自分自身のためにも大事な一戦になる」。定位置奪回に燃える平岡が、07年以来5年ぶりの4試合連続完封。そして首位浮上に向けて、大暴れする。【前田和哉】