<ナビスコ杯:札幌0-4清水>◇1次リーグB組◇6日◇札幌厚別

 清水がゴールラッシュで無傷の4連勝を飾った。FW大前元紀(22)をセンターフォワードに起用した攻撃新布陣がズバリ。前半2分に大前のシュートのこぼれ球をMF河井陽介(22)が決めて先制。DF李記帝(20)がFKを直接たたき込み、後半から出場のMF石毛秀樹は17歳8カ月16日のクラブ最年少得点をマークした。若きタレントたちのプロ初ゴールなどで札幌を一蹴。勝ち点12としてBグループ首位に立ち、決勝トーナメント進出に王手をかけた。

 大前の1トップが見事にはまった。ここ公式戦2試合でチャンスらしいチャンスすら作れずに無得点と苦しんできた攻撃陣が、キックオフからわずか2分でゴールネットを揺らした。ゴール前の混戦から大前が抜け出し、左足で強烈なシュートを放つ。たまらず相手GKがはじくと、最後は河井が押し込み、プロ初ゴールを決めた。

 この日試された新布陣から先制点が生まれれば勢いに乗るだけ。初ゴールだらけの“清水祭り”が始まった。同6分には、大前のCKを起点にFKを獲得。これを李記帝が直接ゴール右隅に突き刺し、プロ初ゴールを記録。後半12分には、後半から出場の石毛がドリブルから右足を振り抜き、ゴールにたたき込んだ。3月30日にプロ契約を結んでから約2カ月。17歳8カ月16日でマークした待望のプロ初得点は、クラブ公式戦最年少得点記録を約4カ月更新した。

 幕を開けたお祭りは、最後まで思い切り楽しむもの。同33分にはMF杉山がミドルシュート。1度はクロスバーをたたいたが、こぼれ球を、自ら押し込み今季初得点で4点目をゲットした。守備陣も最後まで集中力を切らさずに、公式戦2試合連続の完封。ド派手な圧勝劇に花を添えた。

 これで、ナビスコ杯は開幕から無傷の4連勝。「リーグ戦同様にナビスコ杯でもタイトルを狙う。そのためにもこの2連戦で勝ち点4を取る」。戦前、指揮官が掲げた思惑通り、9日のホーム大宮戦引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる。【前田和哉】