<J1:G大阪2-2名古屋>◇第9節◇27日◇万博

 名古屋のFW永井謙佑(23)が、1カ月後に迫ったロンドン五輪へ万全に仕上がった。敵地G大阪戦で前半8分に先制弾、同18分に追加弾を挙げ、2得点の大活躍。16日鹿島戦からリーグ3戦5発。7月2日の五輪メンバー発表前に最高のアピールをした。高速ゴールゲッターが五輪でも日本を上位進出へ導く。試合はG大阪と引き分けた。

 敵地万博を静まり返らせた。前半8分。ゴール前に陣取った永井が、ケネディからの折り返しを左足ボレーでゴールへ押し込んだ。さらに10分後。快足を生かしてペナルティーエリア中央へ走り込むと、再びケネディが胸で落としたボールを右足で豪快に決めた。たった18分間で2発。守備に難があるG大阪攻略するのは簡単だった。

 「ジョシア(ケネディ)がいいとこにボールを落としてくれる。ボクは決めるだけ。(シュートを)枠に入れようと。ピッチがぬれていたので(2点目は)速く転がせば入ると思った」

 3戦連発で、しかも計5得点の大爆発だ。16日鹿島戦で2発、23日磐田戦で1発、この日も2発。五輪が近づけば、近づくほど調子を上げてきた。G大阪MF遠藤が「永井クンは速さがありますし、注意しないといけない選手」と警戒されながら、その上をいく活躍だからすさまじい。

 7月2日には五輪メンバー発表がある。日本攻撃陣は7月からブンデス移籍する清武に、宇佐美、宮市ら海外組がズラリそろう。

 「五輪発表前なので、得点に対する気持ちは高まっていた。選ばれるか分からない。頑張るしかない」。

 日本の定位置争いが激しければ、激しいほど、五輪が楽しみになってくる。【益子浩一】