名古屋DF田中マルクス闘莉王(31)が28日、前日の騒動について説明した。2-2で引き分けた27日G大阪戦(万博)の終了直後にピッチ上で激高。観客の前で同僚MF小川佳純(27)の顔面をわしづかみにして突き飛ばしていた。一夜明け「(小川との関係は)全然普通。アイツも分かってくれている」と冷静に話した。

 ポジショニングなど戦術面で意見の相違があり、2人は試合中から言い合っていた。それがヒートアップしたというのが真相。2-0から追い付かれるふがいない内容。闘莉王自身も危機感を覚え、チームに強烈なカツを入れる狙いもあったとみられる。「(結果は)だれか1人の責任ではなく、みんなが自分の責任だと思わないと。オレはオレの責任だと思っている」。リーダーは熱く語った。

 小川もたくましい。「コミュニケーションのひとつ。愛のムチです」と、この日も何事もなかったかのようにともに練習した。クラブ側も問題視しないどころか、久米GMは「チームを引き締める上で、フロントとしては大歓迎」と言った。このチームにしてこの選手アリといった形で、騒動は一夜で収束した。【八反誠】