<ナビスコ杯:清水0-1名古屋>◇準々決勝◇25日◇アウスタ

 清水が守備から徐々に流れをつかんだ。名古屋はこの日、DF闘莉王を「FW」として起用。ロングボールを多用してきたが、平岡康裕(26)とカルフィン・ヨンアピン(26)を中心にDF陣が体を張って対応した。奇襲を必死に耐え抜くと、攻撃にもリズムが生まれ始める。前半12分、公式戦7戦ぶり先発のFW石毛が左サイドから中へ切り込み、強烈なミドルシュート。同44分には、DF李のスルーパスにFW伊藤が反応。反転から右足を振り抜き、ゴールまであと1歩と迫った。

 後半開始からは「日本のサッカーに慣れてきたことが大きい。ずっとプレーしたかった。ゴールを狙う」と気合十分だったFWフランサを投入。同18分には石毛のクロスにそのフランサが頭で合わせるなど、序盤からの勢いは継続した。

 しかし、シュートを何本打ってもゴールネットが揺れない。キックオフ直前に雨が降ったグラウンド同様、じめじめした展開が続くと、同32分。踏ん張っていた守備陣が力尽きた。闘莉王を起点に、痛恨の決勝点を献上した。大事な初戦、しかもホームで先手を取られ、8月8日に行われる第2戦は、勝つしかなくなった。【前田和哉】