<ナビスコ杯:名古屋3-4清水>◇8日◇瑞穂陸

 奇跡のロスタイム逆転4強だ。2得点以上の勝利で2年ぶり進出が決まる清水は先制、勝ち越ししながら3失点で敗退目前。しかし後半43分に初出場の特別指定選手FW瀬沼優司(筑波大4年)が同点ゴール、ロスタイムにFW高木俊幸(21)が決勝ゴールを決めた。

 逆転での4強進出に向けて、まずは清水がきっちりゴールネットを揺らした。前半42分、FW大前の鋭いFKにFWアレックスがニアサイドで合わせた。大前と笑顔で抱き合うアレックス。7月25日にホームで敗れた初戦(0-1)から、試合を振り出しに戻す貴重な先制点だった。

 10戦ぶりの白星をつかんだリーグ広島戦で今季初めて採用したダブルボランチのシステムが、この日も機能した。後半9分にFW闘莉王に得点を許したが、落ち着いて試合を展開。同24分には、途中出場のFW石毛のクロスを「やっと日本のサッカーに慣れてきた」と話していたFWフランサが、体ごとゴールに流し込み待望の来日初得点。再び、2戦トータルスコアで名古屋に並んだ。

 同31分、同42分と立て続けに失点したが、ここから諦めなかったイレブンが奇跡を起こす。同43分、この試合でプロデビューした瀬沼がこぼれ球を押し込むと、最後は同ロスタイムに右クロスを高木が頭でねじ込んだ。両チーム7得点を挙げる乱打戦を制し、アウェーゴールで名古屋を上回った。【前田和哉】