仙台が来季J2に降格するG大阪から退団が決まったMF佐々木勇人(30)の獲得に動いていることが12日、分かった。抜群のスピードに加え、精度の高いクロスが武器の攻撃的MF。今季、両サイドは梁と太田で不動だったが、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に参戦する来季に向け、さらなる補強が必要となっていた。また、今季限りで退団が決まったサッコーニについて手倉森監督は「梁とヨシ(太田)の競争相手になれなかった」と話しており、佐々木はうってつけの人材といえる。

 宮城・塩釜出身で大阪学院大4年時には練習生として3度、仙台のトレーニングに参加した。本人は入団を希望したが実現せず、05年に山形入り。08年には当時の西野朗監督に見初められてG大阪へ完全移籍し、スーパーサブとして同年のACL優勝にも大きく貢献した。今季は15試合出場のうちスタメンがわずか2試合、無得点に終わっており、G大阪側から契約延長のオファーはなかった。

 チームはセンターバックと左サイドバックをこなせる新潟の万能DF石川直樹(27)獲得にも動いており、すでに直接会って熱意を伝えたという。佐々木については複数のJ1クラブが興味を示しているが、仙台もACL経験豊富な地元出身アタッカーの争奪戦に乗り出す。

 ◆佐々木勇人(ささき・はやと)1982年(昭57)11月29日、宮城・塩釜市生まれ。塩釜FCユースから大阪学院大。99年東北ユースサッカー選手権優勝、最優秀選手。05年にJ2山形へ入団。ルーキーながら開幕スタメンに名を連ねるなど活躍した。08年、G大阪へ完全移籍。J1通算111試合出場、8得点。164センチ、61キロ。家族は夫人と1男。血液型AB。