最後は勝つ!

 今季限りで退任するG大阪松波正信監督(38)が、有終の美を飾る。23日の天皇杯準々決勝C大阪戦(長居)に向け、20日は大阪・万博練習場で調整した。今季の大阪ダービーは1分け1敗と未勝利のため、指揮官は「次が三度目の正直になる。再び対戦するチャンスを与えられたので、注目浴びる試合で、しっかり勝ちきりたい」と闘志を燃やした。

 G大阪ひと筋の松波監督にとって、偶然にも現役最後の試合も同じ天皇杯準々決勝C大阪戦(05年12月24日)だった。その試合は途中出場し1-3で敗退。来季監督には、一昨年まで清水を率いた長谷川健太氏(47)が内定しており、今回も宿敵に敗れれば監督として最後の試合になる。「最後まで仕事をするのがプロ。そういうもの(来季編成)に揺さぶられるのはダメだ。選手も、気持ちが切れた者は(ピッチに)入れない」と自分に言い聞かせるように語った。

 2連覇した09年度以来3季ぶりに優勝すれば、J2の来季にACL出場という希望が芽生える。来季去就が流動的なMF家長昭博(26)は、10年に所属した古巣との対戦に「セレッソには思い入れがある。でも試合になれば別。個人としても、チームとしても、いい結果を出したい」。不名誉なシーズンの最後は、笑顔で締めくくる。【益子浩一】