新社長から5箇条の御誓文!

 札幌の来季社長に就任する野々村芳和氏(40)が28日、札幌市内のクラブ事務所を訪れ、取材に応じた。1月からは顧問に就任し、事実上のクラブトップとして改革を推し進める。OB社長として営業&広報&強化の3役、観客動員増プラン、社内ムードの一新、緊縮財政の克服、育成の強化及び徹底と、いきなり5つの具体策を披露。新体制の基本方針を打ち出した。

 まずは新社長として営業、広報、強化の3役をこなし、全社一丸体制を築く。

 野々村氏

 営業の一員として北海道のどこにでも足を運んで頭を下げる。共感してもらえることを訴え続けたい。メディアの力も大事。それは解説の仕事などをしながら十分、認識してきた。社長という立場を超え広報の役割も果たしたい。強化については人脈をうまく使い、三上部長と話し合い、現場とフロントが、もっと密接につながっていけるようにしたい。

 自力でやれることから着手して、解決していく。

 野々村氏

 勝ち負けは大事、でも負けてもまた来たくなるクラブにしないと。J2だから観客が減るのじゃなく、コンサドーレが将来どうなるか楽しみにしてくれる人が、1人でも多く来てくれるように。社員1人につき友人10人を連れてくるとか。そういうところから、やっていかないと。

 初のOB社長。社員にもプロ意識を求める。

 野々村氏

 アウェーの試合中に社員が試合結果を確認してないというのは論外。常にチームのことを気にしていないと。フロントに勝利給があってもいい。一緒に戦っている感じや空気を、全員で出せないとダメ。社員もプロに近いシステムでやった方がいい。

 トップチーム人件費は3億円まで引き上げた。使い道は徹底して詰めていく。

 野々村氏

 今は総売り上げの20%程度しか選手、スタッフの人件費にあたっていない。J平均値を見ると、40%ぐらい使えないとおかしい。背伸びしてるかもしれないし、もう1度、精査したい。会場利用費など改善の余地はある。行政と一緒になって。いろんな人に北海道から発信するサッカーに協力してもらいたい。

 当然、札幌の土台となる部分は継続して強化する。

 野々村氏

 来季ユースから6人昇格できたのは、もとは00、01年ごろに探してきた選手が育った結果。10億、50億で動かすクラブじゃない。育成、普及は札幌というクラブが地道に戦うために最も力を入れなければいけないこと。10年先を見て、しっかり継続していきたい。【永野高輔】