J2札幌は23日、サッポロ・イーワンスタジアムなどで約2時間の練習を行った。この日は23歳以下の若手中心15選手を、新任の名塚善寛コーチ(43)が徹底指導。合間に何度も止め「考えろ!

 相手をびびるな。引きつけて相手を動かして穴を見つけろ!」とゲキを飛ばした。

 ワンプレーの重みを感じさせた。「DFでのボール回しも、ただ回すだけでは意味がない。相手を感じて駆け引きしろ。敵を動かしスキをつくって仕掛ける。それでこそサッカーは面白くなるんだ」と名塚コーチ。02年から昨年までU-12、U-15の指導者として感じてきたのは、パス1本にも考える意識を若いうちから植え付けることだった。

 プロは頭で勝つ。これが名塚イズムだ。現役時代は両足首のけがと闘いながらプレーを続けてきた。99年オフ、足首関節の軟骨除去手術を受けた。その後、痛みを軽減するため、当時は珍しかったグルコサミンを服用。プレーだけでなく、体のケアに対しても徹底して考えてきたポリシーを指導にも生かす。

 財前監督も「昇格を狙うには若い戦力の成長が不可欠。そこを名塚にお願いしている」と期待。1、2年目だけで3分の1を占める新チームの原石を、元A代表の新コーチが徹底して磨き上げる。【永野高輔】