名古屋で「闘莉王2世」の座を争う戦いのゴングが鳴った。26日、愛知・豊田スタジアムでルーキー5人の新加入会見が行われた。大学NO・1と高く評価された牟田雄祐(22=福岡大)と身長197センチのハーフナー・ニッキ(17=名古屋U-18)の両DFが、同僚となるDF田中マルクス闘莉王(31)を目標の選手に挙げた。日本代表入りを狙う逸材2人が、闘将のもとで飛躍を期す。

 ひな壇に並んだ2人の口から、くしくも同じ名前が出た。着慣れないスーツ姿で、牟田もハーフナーも「闘莉王」の名を挙げた。

 牟田

 闘莉王さんからヘディング、1対1への対応、DFのすべてのことを学びたい。

 ハーフナー

 トゥーさんを見習っていきたい。一緒にプレーして、特長を生かせるように頑張りたい。

 2人とも、日本が世界と戦う上で、絶対に必要なサイズのあるセンターバック(CB)の条件を満たす。

 身長187センチの牟田はJリーグ8クラブの大争奪戦の末に名古屋が獲得した即戦力。その才能にほれ込んだストイコビッチ監督が昨年夏、牟田が練習参加した際にマイカーで宿泊先ホテルから練習場まで送り、車中で口説いた“恋人”だ。

 ハーフナーは17歳にして身長何と197センチの超大物。父ディド氏(前清水コーチ)、兄の日本代表FWマイク(フィテッセ)と続く華麗なるハーフナー一族、3人目のJリーガー。兄弟での日本代表入りを目標に掲げている。背番号24は、あの本田圭佑が名古屋時代につけていたものと同じで「これはいい番号だと思いました」。クラブの大きな期待を背負ってスタートを切る。

 厳しい闘莉王のもとで、激しさや勝利への執念を学ぶことは、これ以上ない財産となる。闘莉王は練習から妥協を許さず、細かい動きを指示したたき込む。名古屋のCBには代表級の力を持つベテラン増川がおり、助っ人のダニエルも控える。「闘莉王2世」襲名は容易ではないが、このハイレベルな争いが、日本代表の強化にもつながるはずだ。【八反誠】

 ◆長身Jリーガー

 今季名古屋に新加入のDFハーフナー・ニッキは身長197センチでJ歴代3位の高身長選手となる。1位は昨年まで千葉でプレーしたFWオーロイで204センチ。その高さを武器にJ通算6得点のうち4点を頭で決めた。2位は鹿島GK八木で199センチ。入団1年目の10年は197センチだったが、11年に1センチ伸び、昨シーズンの開幕前の計測ではさらに1センチ伸びていた。なお、ニッキの父ディド氏は現役時代186センチ、兄の日本代表FWマイクは194センチ。