Jクラブでは前代未聞の不祥事が発覚した。東京は1月31日、社員による旅費の不正流用について発表。経理担当部長(55=男性)が、総額約2300万円もの巨額な会社経費を「飲み代」として私的流用したことが判明した。東京・小平市内のクラブハウスで、阿久根謙司社長(51)が会見を行い、謝罪をした上で経緯を説明。流用した金額は同部長が弁済し、同日付で懲戒解雇となった。

 阿久根社長によると、年末に本年度の決算を見直していたところ、例のない多額の請求書が見つかり、本人に確認し認めたという。過去のすべての伝票を調査すると、05年から12年の8年間にわたって新幹線のチケットを購入し、換金するなどの行為に及び、巨額の横領となった。用途について、同社長は「『飲み代に使った』ということ。居酒屋からクラブまでいろいろ」と明かした。

 発足から21年目を迎えるJリーグでは、類を見ない不祥事が明るみになった。Jリーグからはこの日、厳重注意と再発防止の要請を受けた。同社長は報酬の20%を3カ月間、自主返上。対応策としてチェック機能の強化などを挙げた。賠償請求などについては、社会的制裁を受けていることなどを考慮し「告訴はしない」と話した。