魅惑の左足がベールを脱ぐ。J2山形は8日、明日10日のアウェー福岡戦(レベスタ)に向け、約2時間の練習を行った。紅白戦では、愛媛戦で負傷したDF石川に代わり、京都から加入したMF中村太亮(たいすけ=23)が主力組の左サイドバックで出場。キャンプから準備してきた位置で、移籍後初スタメンの可能性が高まった。

 山形の新たな背番号7が、469日ぶりの公式戦出場へ好調ぶりをアピールした。紅白戦やクロス練習では正確なキックを連発。キャンプ中のセットプレー練習では、石川とともにキッカーに入り「蹴り方を後ろから見て勉強した」と自慢の左足に磨きをかけてきた。昨季はレンタル先の新潟で2度の骨折に泣かされ出場ゼロ。今季は「骨なのでケアはできないけど、スパイクの硬さを変えたりした」と工夫し、順調に開幕を迎えた。

 豊富な運動量も大きな武器だ。練習から攻守の切り替えの速さを見せ、攻撃時は敵陣深くまで得意のドリブルで駆け上がる。「アシストだけじゃなくて、得点も狙っていきたい」とゴールへの意識も高い。1月中旬の始動からホテル暮らしが続いたが、8日の練習後に引っ越しが完了。ようやく落ち着ける場所を得たレフティーが、今季初勝利とレギュラーの座もつかんでみせる。【鹿野雄太】