<J1:清水0-5横浜>◇第2節◇9日◇アイスタ

 横浜が誇るファンタジスタ・MF中村俊輔(34)が、08年以来5年ぶりの開幕連勝を呼び込んだ。前半8分、右CKを直接ゴール。自身初の「CK直接弾」で通算50点目を記録すると、流れは横浜に。後半43分には絶妙なスルーパスでFWマルキーニョスの2点目を援護。試合に終止符を打った。中村は「狙ったわけじゃないけど、湘南戦と同じで1点目を取れたことでチームに余裕が生まれた。相当大きかった」と、振り返った。

 今年1月。DF比嘉やGK榎本ら若手を率いて沖縄で合同自主トレを行った。期間中、INAC神戸のMF南山千明(27)と一緒にサッカー教室に参加。南山から「FKとか、俊輔さんの蹴り方を子供の頃から参考にしていました」と言われ、沖縄の子どもたちも中村の足元を食い入るように見詰めていた。

 初めて女子選手から目標にされていたことを知り「今後も少年少女のみんなに目標としてもらえるようにがんばっていきたい」と、活躍を誓った。

 開幕湘南戦では先制点となるFKで快勝に導き、この日も、衰えを知らない左足でゲームを完全に支配。昨季の開幕7戦勝ちなしから一変。今季、横浜が仕掛ける開幕ダッシュの中心には、中村がいる。【前田和哉】

 ▼J1通算50得点

 横浜MF中村俊輔(34)が清水戦でCKを直接決めて達成。J1史上67人目。34歳8カ月13日での到達は、歴代4位、日本人選手ではFW吉田孝行(神戸)の34歳5カ月28日を抜いて歴代最年長記録となった。

 ▼直接CKゴール

 中村は直接FKでJ1歴代3位タイの14得点をマークしているが、直接CKゴールは自身J1初。日本代表のAマッチでは、02年5月2日のキリン杯ホンジュラス戦で1度だけ決めている。なおJ1での直接CKゴールは、今季開幕戦で記録した川崎FのMFレナトに続いて史上22人目(24度目)。