J2札幌は15日、札幌・宮の沢で紅白戦を行い、MF宮沢裕樹(23)が主力組トップ下に入った。明日17日の神戸戦(午後4時、ノエビアスタジアム)はFWテレ(23)が右肩痛で欠場濃厚。FW内村圭宏(28)も体調不良で出場微妙とあり、財前恵一監督(44)はFW出身の背番号10の攻撃力を試した。宮沢がトップ下で先発となれば、昨年4月14日名古屋戦以来11カ月ぶりとあり「前でおさめて攻撃の起点をつくりたい」と意気込んだ。

 昨季終盤、石崎監督は視野の広さとビルドアップ能力に目をつけボランチやセンターバックで起用したが、財前流は“原点回帰”を狙う。室蘭大谷高時代はFWとして注目されたことを知っている。指揮官自身も同高で同じ10番を付けた攻撃的MFだっただけに、テレ離脱、内村体調不良と攻撃陣窮地の中、瞬間的にひらめいた。「宮沢の印象はボランチより前。入るとボールが動くからね。やっぱり10番は攻撃だよ」と、抜てきの意図を説明した。

 宮沢は熊本合宿中の2月7日レノファ山口戦で左ふくらはぎを肉離れし、2週間離脱した。出遅れもあり開幕2戦とも出番はない。昨季23戦無得点に終わったこともあり今季初出場のチャンスに「今年は10番のイメージ通り、前で目立った活躍を見せたい。ラストチャンスのつもりで臨む」と前を向いた。【永野高輔】