日本代表戦が終わり、今日17日からJリーグが再開する。C大阪の日本代表FW柿谷曜一朗(23)は、ホーム(金鳥スタ)で清水と対戦。会場にはJ2徳島時代の監督、美濃部直彦氏(48=現JFL長野パルセイロ監督)がテレビ解説で訪れる予定で、柿谷は自身を育ててくれた恩師の前で成長した姿を見せることを誓った。

 柿谷が、恩師の前で成長した姿を見せる。日本代表に選出されてから、恩師の美濃部氏が柿谷の試合のテレビ解説をするのは今回が初めて。

 「ミノ(美濃部)さんが解説しているとき、僕がミスったら言葉に詰まってしまうと思う。そうならないよう、成長した姿を見せたい。90分間のプレーでよかったなと言ってもらえるようにしたい」

 卓越した技術で天才と言われ、06年に16歳の若さでC大阪に入団したが、度重なる寝坊がレビークルピ監督の逆鱗(げきりん)に触れ、09年6月にJ2徳島にレンタル移籍。11年までの約2年半、美濃部氏のもとで武者修行を積み、守備やチームプレーの大切さを徹底的にたたき込まれ、精神的にも成長を遂げた。今でも時間があれば、徳島の試合の応援に行くほど、愛着は強い。

 日本代表は9月には本拠地長居でのグアテマラ戦、横浜でのガーナ戦と親善試合が続く。日本代表に定着していくためにはJリーグで結果を残し続けることが必要だが、気負いはない。「代表どうこうではなく、C大阪の8番としてやっている。C大阪で結果を残せば注目度はついてくる。それに恥じないようにプレーしたい」と気持ちを切り替えた。

 柿谷効果で、クラブ史上初めて前売りチケットが完売した。そして恩師も来る。日本代表定着へ。昨年も清水戦で2得点を挙げている男は「期待に応えられるように頑張ります」と、必勝を誓った。【福岡吉央】