ナビスコ杯決勝(11月2日、東京・国立競技場)を前に、浦和ミハイロ・ペトロビッチ監督(56)が上昇機運のチームに手応え。リーグ戦との2冠を視野に「胴上げ禁止令」を口にした。

 浦和ペトロビッチ監督が胴上げ禁止令?

 腰痛を抱え、昨季はベンチ前でいすに座って指揮を執ることもあった同監督。オフに手術し、順調に回復してきたとはいえ完調手前だ。

 優勝した場合の胴上げについて「腰の手術の後なので危険を伴うもの」と言い、「それ以上に危険なのは、試合に出られない選手は私に不満があるだろう。その選手らが受け止めずに落ちたりしたら危険だから。やめておいたほうがいい」と答え、笑いを誘った。

 今月5日のさいたまダービー大宮戦に4-0と圧勝し、上昇気流に乗った。ナビスコ杯川崎F戦に1-0、リーグ戦では鹿島に2-1、柏に2-1。MF原口がリーグ戦3試合連続ゴール中など、接戦をものにしてきた。首位横浜から勝ち点2差で追走し、優勝も視界にとらえている。喜びすぎて緊張感が途切れないようにする狙いもある。

 05年ナビスコ杯では、市原を優勝に導いたオシム氏はリーグ戦が残っているとして、胴上げを拒否した。ペトロビッチ監督は「彼の場合は腰じゃなくて体重が問題だったのだろう」と笑う。ナビスコ杯とリーグ。本当の喜びに浸るのは2冠の後だ。【高橋悟史】