C大阪の来季の新監督候補に、元日本代表MFで磐田のアドバイザーを務める名波浩氏(40)が浮上していることが10月31日、分かった。複数のJリーグ関係者によると、C大阪は名波氏を監督候補としてリストアップ。すでに水面下で名波氏と接触しているという。

 だが、C大阪以外にも複数のJクラブが来季の監督候補として接触しており、名波氏は今後、正式オファーを受けた各クラブと話を重ねた上で、就任先を決めることになりそうだ。

 C大阪はすでにレビークルピ監督に、今季限りで契約を延長しない旨を通達。あるクラブ幹部は次期監督候補としてC大阪でプレー経験のある人物を理想の条件として挙げていた。

 名波氏は06年後半の半年間、磐田からの期限付きでC大阪でプレー。昨年、Jリーグ監督を務めることができる指導者のS級ライセンスを取得し、将来的に監督就任を希望していた。

 また、来季強化部長を務める勝矢寿延スカウト統括責任者とも95~97年までの3年間、磐田でともにプレー。監督経験こそないが、かつて日本代表で背番号10を付け、卓越したサッカー理論を持つ名波氏にC大阪が白羽の矢を立てた形だ。

 C大阪は来季、Jリーグ参入20周年の年。10月27日の鳥栖戦で敗れ、今季のリーグ優勝は絶望的となったが、来季こそクラブ史上初のリーグ優勝を狙っており、今後は新体制実現に向け、組閣や戦力補強など、名波氏の意向を聞いた上で、慎重に交渉を進めていく。

 ◆名波浩(ななみ・ひろし)1972年(昭47)11月28日、静岡県藤枝市生まれ。清水商で88年全国選手権優勝、順大で93年総理大臣杯優勝、95年磐田入り。99年6月セリエAベネチアにレンタル移籍、00年途中に磐田復帰。06年にC大阪、08年磐田復帰。同年引退。09年から磐田アドバイザー。日本代表では98年W杯フランス大会に出場。国際Aマッチ通算67試合9得点。J通算331試合34得点。177センチ、70キロ。