横浜の元日本代表MF中村俊輔(35)が1日、練習中に腹痛を訴え、川崎市内の病院に緊急入院した。胆のう炎と診断され、軽症で手術の必要はない。それでも食事と運動は厳禁で2~3日間は絶対安静という。

 横浜市内のグラウンドで練習開始から30分後、異変は起きた。2対2のミニゲームを始めた直後、ペアを組んだMF熊谷に「もうダメだ」と言い残し、胸元をさすりながら重い足取りでピッチから離れた。そのまま病院へ直行。約4時間後、荷物を取りにクラブハウスに現れた中村の左腕には点滴の針が刺さっていた。その後、再び病院へ戻った。

 10月27日の前節・大分戦前から、違和感が続いていたという。「胃もたれのような感覚。年に3回ぐらいあるけど、少し長いし、変だと思った。キュッと締め付けられるような感じ」。エコーには胆石の影が映っており、CTで詳しく調べると、胆泥(たんでい)と呼ばれる膿(うみ)がたまっていることが判明した。

 J1首位の横浜で、司令塔役として抜群の存在感を見せる。残り4試合で2位浦和とは勝ち点2差と、優勝へ落とせない試合が続く。次節は10日の名古屋戦(日産ス)。樋口監督は「10日までまだ時間がある。明日が決勝じゃなくてよかった」と前向きにとらえ、中村自身も「映像を見てイメージを膨らませるいい機会だと思ってゆっくり過ごします」と暗さはない。

 再検査で回復が見られれば、すぐに復帰できるという。ただ食事も運動も禁じられ、点滴だけで数日間を過ごすことになる。大事な終盤戦へ、横浜は思わぬ不安を抱え込んだ。