横浜は27日、横浜市みなとみらいの練習場で始動し、MF中村俊輔(35)が主将4年目のシーズンをスタートさせた。樋口監督から年賀状で主将継続を打診され、この日になって正式に受諾。チームとして全タイトル獲得を目標に掲げた。一方で個人としては過去2年、シーズンイン早々に体調を崩した反省から「手洗い、手抜き」をキーワードに、“俊輔流”の徹底したコンディションづくりに励む。

 チーム初日。中村はニット帽をかぶり、もくもくとジョギングを行った。午後練習では、パス回しなどでボールに触れ、精力的に汗を流した。新シーズンを迎え、気持ちは自然と引き締まった。樋口監督からの年賀状で4季目となる主将就任を打診され、この日、正式に受諾。大勢の報道陣を前に「チームで良い競争ができるような方向に持っていきたい。全タイトルを取りにいく」と宣言した。

 中村にとって、最も冷え込むこの季節には不安を抱える。昨年のチーム始動日は体調不良で早退した。一昨年はインフルエンザで入院し、2月の宮崎キャンプは1日も参加できない“お手上げ”状態だった。この日は元気に体を動かした中村だが「まだ分からないよ。ノロウイルスもはやってるし」とひと言。2つの作戦で、過去のトラウマを打ち破ることを誓った。

 「子供が4人いるから、家の中に消毒液を置いて手を洗わせる。自分も手洗い、うがいを徹底して早く寝る。風邪ひくと筋肉も落ちてもったいないからね。練習と同じくらい気を使わないと」。家族にも協力をあおいで風邪を予防する。

 そして2月1日から7日間の宮崎合宿では、自分の体と相談しながらメニューをこなしていく。「この時期はいっぱい走って疲れて、免疫が落ちたところで風邪をひくことが多い。だから、うまく手を抜く」。焦らず、開幕までにコンディションを上げていく。

 主将の責任を胸に、手塩にかけてチームづくりにも励む構えだ。「アンテナを張ってね。チームが負けた時、良い方向にどう持っていくかが自分の役目。今年は『発展』がテーマ。新加入選手も含め、より太いパイプを作りたい」。すべては昨季王手をかけながら逃したリーグ優勝を、今度こそ手にするため。手に汗握るシーズンへの準備に入る。【由本裕貴】