J2札幌が、ジュニアスクールの総合スポーツクラブ化を検討してることが2日、分かった。現在は本拠地札幌など道央を中心にスクールを運営しているが、14年度から拠点を函館、釧路など道南、道東方面にも拡大する方針。コンサドーレの輪を北海道全域に広げると同時に、カーリング、アイスホッケーなど冬季競技の普及や、選手育成なども行える新組織に発展させる。

 札幌が、新しい形のジュニアスクールへと、組織改革をすすめる。クラブでは01年から競技普及を目指してジュニアスクールを運営。小学生以下を対象にサッカー指導を行ってきた。14年度以降はサッカーだけでなく、北海道の地域性にも密着した冬季競技のスクールとしても、普及や育成ができるスタイルへと進化を図る。2月中旬にも、新組織をつくり、指導システムの再構成を開始する。

 新設する候補競技として挙がっているのはカーリング、アイスホッケー、スキーなど。雪国北海道の得意分野でもあり、7日から開幕するソチ五輪には、カーリング女子代表として小笠原歩(35)ら、4人の北海道出身選手が出場する。アイスホッケー女子では21選手中16人の道産子がメンバー入り。ジャンプ女子の高梨沙羅(17)は金メダル候補筆頭だ。将来はコンサドーレ育ちの冬季五輪選手の輩出にもつなげる。

 その足場づくりとして、まずは本業であるサッカースクールの拠点を一気に道内全域に広げていく。これまでホームタウン活動の一環として、クラブの本拠地札幌と、U-15などがある旭川でスクール活動を展開。昨季は、室蘭や恵庭校が開校も、道央圏が中心だった。現在、活動拠点の拡大を目指し、函館や釧路のサッカー関係者と交渉をすすめており、新たなベースが固まり次第、道南や道東方面にも本格進出する。

 北海道版の欧州型総合スポーツクラブを目指す。スペインの名門バルセロナはバスケットボールやハンドボールなどで他競技のクラブを保有。Jリーグでは新潟が、同じ「アルビレックス」としてバスケットボール、野球クラブが活動している。札幌は雪国北海道らしくサッカーと冬季競技のスクール運営で地元スポーツの発展に貢献していく。

 ◆Jクラブの主な総合スポーツ活動

 東京V、東京と同じ名前のバレーボールチームがあり、東京はトップリーグのV・プレミアリーグ、東京Vは下部リーグのVチャレンジリーグに所属。新潟もバスケットボール、陸上クラブとチーム名を共有している。J2の湘南はトライアスロン、ビーチバレーにも力を入れている。海外ではサッカークラブが総合スポーツ施設を持つことも多い。Rマドリードは欧州王者8度を誇るバスケットボールの強豪としても有名。バルセロナのハンドボール、バイエルンの体操など他の競技で世界的な実力を見せているクラブもある。