横浜のMF中村俊輔主将(35)が「初タイトル」で、新シーズンのスタートを切る。14年の国内シーズン開幕を告げる広島との富士ゼロックス・スーパー杯が今日22日、東京・国立競技場で行われる。中村にとっては初のゼロックス杯で、横浜も過去3度挑戦して獲得できていない縁遠いタイトル。名手が新たな歴史を打ち立て、国内にW杯シーズン到来を告げる。

 一発勝負の大一番を前にしても、中村主将はいつも通りだった。約1時間のチーム練習後、居残りで直接FKの感触を確認。その後はさまざまなパターンの長距離シュートを反復練習し、得点のイメージを膨らませた。約40分の確認作業で広島戦への準備を終えた。

 海外でのプレーが長かった中村にとってゼロックス杯は初めて。名門・横浜も過去3度挑戦しながら阻まれてきたタイトルだ。

 「この年(35歳)になって、新しい経験をできるのはいいね。天皇杯に勝ったのも初めてだったし。いろんな経験ができる。勝ちたいね」

 元日には今回と同じ広島を倒し、自身初の天皇杯制覇を成し遂げた。昨季JリーグのMVPに輝くなどした百戦錬磨の名手にもまだまだ“初めて”がたくさんある。

 広島には、昨季のリーグ優勝をさらわれた。因縁の相手だが相性は抜群だ。現在公式戦3連勝中。中村はここ数試合の得点シーンをスラスラ説明しながら、攻略法の一端も明かした。

 「外からのシュートをどれだけ枠に飛ばせるか。ブロックの外からのシュート、外からのクロスが大事。慌てて攻めてカウンターを食らうのが良くない」

 どうしても欲しい初タイトルだが“急がば回れ”とばかりに外を起点に、じっくり攻めていく。今季から背負う背番号10のお披露目試合でもある。W杯イヤー。魅力あるプレーで閉幕間近のソチ五輪からサッカーへと、盛り上がった熱を受け継ぎたい。【八反誠】