<富士ゼロックス・スーパー杯:広島2-0横浜>◇22日◇国立

 横浜はまだ冬眠からさめていなかった。公式戦3連勝中と得意にしていた広島に屈した。4度目のゼロックス杯挑戦も失敗。自身初の同杯制覇を狙っていたMF中村主将は「向こうの方が(ボールへの)1歩1歩が速かった。1人1人の反応がアグレッシブさに欠けていたし、ゲームに入るアドレナリンも足りなかった」と分析した。

 後手を踏み苦しい試合運びになった。膝の違和感で開幕前の調整に狂いが生じた40歳の左サイドバック、DFドゥトラの裏を狙われ6分に早々と失点。その後も広島の勢いに押された。GK榎本の奮起がなければ、大量失点の可能性もあった。

 大雪でプレシーズンの調整が狂い、ほとんどの選手が今季初めての90分間のプレーだった。救いは新加入のMF藤本の好プレーと、ここから試合を重ね調子を上げていくすべを知り尽くした選手がそろうこと。ただ、悠長なことも言っていられない。26日にACL開幕の全北現代戦(韓国・全州)、3月2日にはJ開幕の大宮戦(日産ス)といきなりの連戦。中村は「自分たちに何が足りないのかが浮き彫りになった。次はACLだし、戦うチームにしないと」。目覚めには十分に刺激的な完敗だった。【八反誠】