浦和が差別問題の再発防止策の一環として、アウェーの広島戦(15日、エディオン)で浦和サポーターにすべての横断幕の掲出禁止を検討していることが12日、分かった。Jリーグへの報告をまとめることと並行して、クラブでも独自に予防策を検討し決定次第、公式ウェブサイトなどで告知する予定。

 問題が起きたのは、8日のホーム鳥栖戦。埼玉スタジアムの209番ゲートのコンコース側に「JAPANESE

 ONLY」という横断幕が掲げられた。「日本人以外お断り」という差別的な意味もあったが、試合終了後まで撤去されなかった。浦和の公式サイトによると、試合当日午後5時ごろに、この横断幕を確認。トラブル防止のため当事者との合意が必要と判断し、最終的に試合後の午後6時4分に撤去した。横断幕だけでなく、一部サポーターから差別的な発言なども確認しており、浦和はウェブサイトで調査の進捗(しんちょく)状況を報告。10日には、淵田敬三社長(59)がJリーグを訪れ経緯を説明していた。

 淵田社長は「(判断を)スピードアップしないと。問題なのは、試合が終わるまで横断幕を外せなかったこと。本当に申し訳ない」と陳謝した。すでに横断幕を掲出したサポーターを特定し、事情を聴いている。当事者は「差別的な意味はなかった」としているが、同社長は「横断幕だけでなく、発言、行為など、差別的ととらえるしかない。毅然(きぜん)と対応していく」と語った。当事者は入場禁止となる見込み。

 この件は日本国内だけでなく、カタールの衛星放送アルジャジーラがウェブサイトでも取り上げるなど注目されている。人種差別については、国際サッカー連盟(FIFA)をはじめ世界中が厳しい態度で臨んでいる。今後、Jリーグだけでなく、浦和の対応も注目される。