<ACL:横浜1-1広州恒大>◇1次リーグG組◇12日◇横浜国際総合競技場

 横浜が、2連覇を目指す広州恒大(中国)と引き分けた。過密日程を見すえ主力3人をベンチ外としたが、前半21分にスタメンに抜てきされたFW端戸(はなと)仁(23)のゴールで先制した。前半に同点とされたが、アジア王者と体を張って渡り合い勝ち点1を分け合った。

 横浜がアジア最強の広州恒大と渡り合い、勝ち点1を手にした。体を張った。前半35分、MF中村俊輔(35)が最終ラインまで下がってクロスに体を投げ出した。相手とぶつかるような執念のプレー。衝撃で1度は担架でピッチ外に運び出された。このプレーに象徴されるように必死に戦い抜いた。

 勝ち点1以上の収穫もあった。過密日程を見すえFW伊藤、MF藤本と富沢のレギュラー3人がベンチ外となった。絶対的な存在であるDF栗原もベンチスタートだった。そんな中、抜てきされた23歳のFW端戸が、前半21分にこぼれ球を蹴り込んで先制ゴール。前半のうちに追い付かれたが、若い力がアジアの舞台で芽を出した。

 それでも中村は納得していない。「向こうは調子も悪かった。勝たなきゃいけない。若い選手がいい経験をできたのは大きい。でもそういう場じゃない。だから残念」。激突によるおなかの痛みを訴えつつ、重い足取りで帰った。

 2月26日の全北現代戦(アウェー)は0-3完敗だった。ホームで負けは許されない状況。踏ん張ることはできた。1次リーグ突破へ大きな勝ち点1となるか。名将リッピ監督率いるアジア王者相手に、Jの名門が意地は示した。【八反誠】