<J2:横浜FC2-1山形>◇第4節◇22日◇ニッパ球

 J2山形はアウェーで横浜FCに競り負け、連勝はならなかった。前半27分にDFラインの裏へ抜けられた相手を倒して与えたPKで失点。後半17分にMF中島裕希(29)の今季初ゴールで追いついたが、8分後にカウンターから決勝点を許した。勝ち点は上積みできなかったが、前線からの組織的なプレスと多彩な攻撃でチームとしての伸びしろは証明した。

 昨年からの課題だったカウンター攻撃2発に沈んだ。攻め込む時間帯が続きながら決定打が出ず、被シュート5本で2失点。決勝点は敵陣でボールを奪われて守備が手薄になったところを相手DFに単独突破を許し、一瞬でゴール前まで運ばれた。石崎監督は「練習していた形で、右サイドバックがカバーできればよかった。あれは対応しないといけない」と悔しがった。

 開幕から4戦で、試合の中での修正能力は確実に高まっている。決定機を作れなかった前半は「シュートで終わろうと話したら、無理な体勢からでも打ってしまった」と指揮官が振り返るように、攻め急ぎが目立った。だが後半は、キャンプから培ってきたボールを動かしながら攻めるスタイルを取り戻し、再三チャンスを作った。今季初ゴールの中島は「うまくいかないところもあったけど、得点できたし良い部分もあった」。結果の出ていなかった昨季チーム得点王に勢いがついたのも大きな収穫だ。

 敗れはしたが、発展途上のチームが今季負けなしの相手を防戦一方に追い込んだ。石崎監督は「まだミスが多いし、改善点は多々多々ある。攻守の切り替えも、もう1歩速くなる」と言った。生まれ変わりつつある山形は、上位進出への階段を1つずつ上がっていく。【鹿野雄太】