<J1:広島3-1徳島>◇第5節◇29日◇Eスタ

 広島が、点取り屋DF塩谷司(25)の1得点1アシストの活躍で3試合ぶりに白星を飾った。前半44分のFK。MF高萩がゴール前で壁になる選手に指示をし、助走のために後ろに下がった瞬間だった。高萩と入れ替わるように塩谷が前へ出て、右足を振り抜いた。GKの足が止まる痛烈なシュートを放った。

 今季リーグ3得点目の先制弾に「また決めちゃいました。いつ点を取らなくなってもおかしくない。今日は自分で蹴ると言って蹴らしてもらったけど」。MF高萩から譲り受けたFKだった。後半21分にはFKを譲った。ヒールパスでMF野津田の今季初得点をアシストした。

 今季はACLを含む公式戦8試合5得点、リーグ戦では5試合3得点とDFながらチームトップ。FW並みに点を挙げている。しかも5得点中4得点が決勝点。大事な場面で決めてきた。森保監督も「どこまでいくんだろう。我々のチームに入って日々進化していると思う」と絶賛だった。広島は3位に浮上し、首位鹿島との勝ち点差は2。3連覇へ攻撃力が増してきた。【辻敦子】

 ◆塩谷の得点

 DFながら今季J1リーグ戦で5戦3得点(ACLを含めると8戦5得点)。DFのJ1シーズン得点記録を、FWやMFで出場したときのゴールを除いて集計すると、名古屋DF闘莉王が浦和時代の05年にマークした9点が最多。塩谷はDF初の年間2桁ゴールを狙えるペース。