今夏移籍の目玉は、やはりこの男だ!

 電撃退団する可能性が高い新潟FW川又堅碁(24)が複数クラブから正式オファーを受けたことが4日、分かった。1番手の横浜に続き、東京、清水、名古屋から正式に届いた。加えて古巣の岡山も受け入れを準備するなどJ2数クラブも乗り出している。さらに海外クラブも含めた熱い大争奪戦が、真夏のピッチ外で行われる。

 川又獲得を、1番に名乗り出た横浜に続いて、次から次へと手が上がった。東京、清水、名古屋とJ1クラブが獲得に乗り出した。Jリーグ再開後、3戦連続ベンチ外となり電撃退団の可能性が発覚した後、前節C大阪戦(8月2日)もメンバーから外れた。昨季、人並み外れた身体能力で23発決めたストライカーが、不可解な采配で起用の可能性がまったくない戦力の構想外となった。この状況を各クラブが見逃すはずがなかった。

 15日に国内の移籍市場は閉じるため、時間はあまりない。国内移籍を決断した場合、今回意思表示したJ1の4クラブが、現実的な受け入れ先になりそうだ。さらに、12年に期限付き移籍で在籍し、18点をマークしてJ2得点ランク2位に入った岡山も、川又を受け入れる準備を進めている。国内クラブが川又獲得に熱を帯びる一方で、海外クラブも名乗り上げる可能性は高い。

 Jリーグベストイレブンに入った昨オフ、そしてザックジャパン合宿招集後の今夏、ドイツやロシアのクラブが接触してきたことがある。ただ、今季は新潟でのプレーを決断し、海外クラブの打診をすべて断ってきた。しかし、理不尽な形で出場機会が奪われた現状では、国内移籍はもとより、海外も選択肢に入ってくる。しかも、国内移籍期限は今月15日なのに対し、欧州主要リーグの期限は8月末と、時間的な猶予は十分にある。

 飼い殺し状態が続く川又にとって、獲得オファーの殺到は朗報。近日中にも国内か海外かの方向性を決めると同時に、クラブ側との交渉に入る見通しだ。現状から脱却しサッカーができる新天地を決めるためにも、迅速かつ冷静に見極めていく。

 ◆これまでの経緯と今後の流れメモ

 今季中断前までは全14戦先発。4月には日本代表候補合宿にも招集された。中断期間、今季まで契約を結ぶ新潟から提示された複数年での契約延長オファーを保留すると状況は一変。7月のリーグ再開後はベンチから外された。柳下監督は戦える状態ではないと判断していると説明するが、今季開幕直後はけがを抱えながら先発起用していただけに、川又の起用を巡り不可解な采配が続いている。

 今後は国内移籍の場合は、Jリーグが設定している15日までに完了しなければ、移籍できない。また、海外ならば、欧州主要リーグは期限を8月末に設定している。それまでに移籍を完了できなければ、新潟に残留するしか道はなくなる。