<データが語るJリーグ>

 徳島FW高崎寛之(28)が、W杯中断明けから絶好調だ。今季はここまでリーグ8位タイの7ゴールを記録しているが、リーグ再開後に7戦6発と量産。W杯後に限ったJ1得点ランクで、代表入りがうわさされる東京FW武藤、G大阪FW宇佐美(ともに7戦5発)を抑え堂々の首位に立つ。最下位に沈むチームにあって、その決定力は際立っている。

 今季J1に初昇格した徳島は、一方的に攻め込まれる試合が多く、攻撃機会も少ない。だが、リーグ再開後の高崎は、その限られた好機を確実に決めているのだ。6得点に要したシュート数は9本。野球の打率と同様、3割以上が1つの目安となる「シュート決定率」は、驚異の6割6分7厘を誇る。本人は「少ないチャンスをものにして全員でしっかり守るというのが徳島のやり方。そこをさらに徹底していければいい」。

 W杯開幕前まで1勝1分け12敗だったチームは、リーグ再開後に2勝2分け3敗。残留圏となる15位との勝ち点差は最大13から9に縮まった。厳しい状況に変わりはないが、一皮むけたエースとともに、チームも上り調子だ。【石川秀和】