今季、右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負った清水FW長沢駿(26)が1日、“前倒し復帰”へ意欲を見せた。前日30日に対人プレーを解禁すると、この日も次節C大阪戦(5日午後2時、アイスタ)に向けて調整を行うチームメートと約1時間半のフルメニューを消化。「こうやって、最初から最後までみんなと一緒にできることがうれしい」と、充実した表情で汗を拭った。

 長沢は4月のアウェー徳島戦で負傷し、全治8カ月の診断を受けた。悪夢から約5カ月半が経過。患部の状態は、必死のリハビリで順調に回復した。長沢は「痛みもないし、強いボールも蹴られる。問題はない」。現在、右足につけている患部をサポートする装具も再来週には外れる予定。目指してきた、診断よりも1カ月早い、11月の復帰にもめどが立ってきた。

 大榎克己監督(49)はこの日、「正直、今季中の復帰は無理だと思っていた。ただ、予想以上に順調。フル出場は厳しいかもしれないけど、ポイントで起用できるような気がしてきた」とストライカーの完全合流を歓迎し、今後の経過次第では起用も示唆した。

 一方で、チームは前節大宮戦の敗戦でついにJ2降格圏の17位まで転落。節を追うごとに厳しい状況となっている。長沢は「何か力になりたい気持ちは強い。とにかく試合勘や体を戻して、1日でも早く試合に出られる状態にもっていく。それが、今自分にできること」と語気を強めた。【前田和哉】