J1仙台とJ2山形が27日、山形県総合運動公園で練習試合(45分×2本)を行い、仙台が合計2-1で勝利した。仙台はDF渡辺広大(27)、MFハモン・ロペス(24)ら故障明けの選手たちが90分フル出場で好調ぶりをアピールした。

 貴重なJクラブとの実戦で、出場機会に飢えた男たちが躍動した。1本目の3分、MF佐々木勇のFKをDF角田が頭で合わせて先制。3試合連続ベンチスタートの主将が圧倒的な高さを見せつけると、センターバックでコンビを組んだ渡辺も激しい当たりで山形攻撃陣を抑え込んだ。2本目の16分にはハモンのシュートのこぼれ球を押し込み得点もマーク。9月の臀部(でんぶ)肉離れから7試合メンバーを外れているが「状態はずっと万全なので悔しさはあるけど、降格なんて絶対あっちゃいけない。全員ができる限りの準備をするだけ」と力を込めた。

 途中加入した助っ人の調子も上向きだ。右足内転筋を痛めて離脱後初の実戦でエンジンのかかりは遅かったが、2本目から本領発揮。屈強なフィジカルを生かして攻撃の起点となり、強烈な左足で何度もゴールを脅かした。ハモンは「90分動けたし、チームにも貢献できてうれしい。もっと状態は上げられる」と残り4試合での逆襲を誓った。

 ミスから1点を失ったが、最後まで主導権を握り続けた。渡辺監督は「広大やハモンを含めて、みんな良い状態だと確認できた」とうなずいた。全員が戦闘態勢にある仙台が、残留争いを勝ち抜く。【鹿野雄太】