仙台の元日本代表FW柳沢敦(37)が4日、今季限りでの現役引退を表明した。

 柳沢の引退をチームメートも惜しんだ。DF角田誠(31)は08年から京都で一緒にプレーし、11年仙台に2人そろって移籍。7年間苦楽をともにした。11年8月名古屋戦で、柳沢が無人のゴールへのシュートを外した際には「罵声を浴びせてしまった」。その後「ヤナギさんが大人の対応をしてくれて、確執もなく話してくれた」と、6つ年上の誠実な人柄を振り返った。

 柳沢が新人として鹿島に入団した96年からの5年間や、日本代表でもフィジカルコーチ(PC)として指導した仙台・里内猛PC(57)は不思議な縁を感じていた。「仙台で終止符を見るとは思わなかった」。鹿島時代の柳沢は、レオナルドやジョルジーニョら元ブラジル代表から「プロとしての体づくりや練習後のケアなどを吸収していた」と言う。サポーターのサインには快く応じ、ピッチ外でも模範の選手。「いろいろな人を見送ってきたが、彼は別格」と里内PCは話した。