J2札幌が岐阜のコロンビア人FWナザリト(24)を獲得することが8日、分かった。この日、クラブと仮契約を結んだ。近日中に正式発表される。今季、J2でリーグ34試合に出場し17ゴールをたたき出したストライカー。187センチ、89キロの強靱(きょうじん)なフィジカルとスピードを生かし、得点力不足解消と来季J1昇格への切り札になる。

 札幌が破壊力抜群のFWを加え、J1昇格を目指す。ナザリトは、11月27日に今季限りでの岐阜退団が発表されており、札幌は来季の獲得を目指し5日に代理人を通じて正式オファー。この日、仮契約を済ませた。来季J1に昇格する松本なども興味を示していたが、札幌は早い段階から注目し、攻撃力アップの切り札として打診。貴重な得点源獲得に成功した。

 身体能力が高く、強力なヘディングだけでなく、クロスやスルーパスへの反応から得点もできる万能型ストライカー。バルバリッチ監督(52)は、来季助っ人戦力の構成としてDFパウロンの残留に加え、東京VのMFニウドと、FWナザリトの獲得をクラブに進言。指揮官はナザリト獲得の報告に「彼が入れば、いろいろなことができる」と喜んでいるという。ニウドとの契約も濃厚で、外国人補強は、順調に固まりそうだ。

 リーグ13位と低迷した攻撃陣を一気に立て直す。ナザリトは今季、岐阜に加入し、クラブ史上最多の17得点と爆発。チーム54得点のうちの約3分の1をたたきだした。札幌のチーム得点王14点の都倉も、現時点で来季残留の方向。昨季チーム得点王のFW内村も残留が確定しており、ナザリトとのトリプル砲で得点力アップを図る。

 DF裏へ抜け出す能力にもたけており、札幌は小野や上里、菊岡、前田らパサーが多いだけに、岐阜時代より得点力が増す可能性はある。強力な右足のキックも武器で、3月の開幕戦では、約20メートルのFKを直接決め、これがJ初ゴールとなった。高さ、速さ、うまさに、精度の高いFKも兼備した助っ人が加わる。

 97年のバルデス、00年のエメルソン、07年のダビと、リーグ優勝でJ1昇格を決めた年は必ず、強力な外国人FWがいた。雪辱を期す15年は、24歳と伸び盛りのコロンビア人FWを軸に、勝利を積み重ねていく。

 ◆ナザリト(クリスティアン・ナザリト・トゥルケ)1990年8月13日、コロンビア・ビジャリカ生まれ。07年にコロンビアのアメリカ・カリでプロデビュー。同年、世代別代表に選出されU-17W杯に出場。ドイツ戦で2得点するなど、4試合で計3得点を挙げ16強進出に貢献した。インデペンディエンテ・サンタフェ、米MLSシカゴファイアーなどを経て、今季、チリのデポルテス・コンセプシオンから岐阜に加入し、34試合で17ゴールを挙げた。187センチ、89キロ。利き足は右。血液型B。