「同期」「同部屋」のライバルから定位置を奪い取る。J2札幌の新加入DF福森晃斗(22)が5日、守備のポジション別練習で、3バック左に入った。2組に分かれて行い、もう1組の左には、昨季24試合出場のDF櫛引が入った。「札幌で試合に出るために、まずは櫛引との争いに勝たないと」。開幕スタメンへ、合宿同部屋同期の“左争奪戦”が熱を帯びてきた。

 現在、3バック右は、昨季からバルバリッチ監督の信頼厚いDFパウロンが最右翼。中央は河合、稲本のベテラン勢で競い合う状況で、福森は、奈良の東京移籍で空いた左を狙う。昨季実績ではバルバ体制で10試合出場の櫛引や、川崎F時代の先輩薗田が絡むが、いずれも右利き。福森は特徴である左利きをアピールしていく。

 左サイドからタッチライン際に巻いて入れる縦パスや、ロングフィードが武器になる。「高校時代からずっと練習しているので、キックは自信がある。3バックも川崎Fと同じ。大きく変わるイメージはない。右利きにはできないプレーでアピールしたい」と言い切った。

 川崎Fでのニックネームは「ゆとりモンスター」。強烈な人見知りながら、ピッチでは動じないずぶとさが売り。「ピッチ外で先輩を立てたりするのが、うまくできない。そういう精神的部分も成長させたい」と言うが、まだ22歳。小野、稲本ら世界を知る大先輩の中で、人間性も、プレーの精度も高めていく。【永野高輔】