J2磐田のMF田中裕人(24)が一発芸でチームに元気を注入した。13日の鹿児島キャンプで、ミニゲームで敗れた罰ゲームとして田中は観客席前で変顔を交えたダンスを披露。客席を沸かせ、名波浩監督(42)や他選手をうならせた。今日14日のスカパー!ニューイヤー杯・熊本戦でも「すべらないプレー」を誓った。

 勝てば大会制覇の可能性を残す熊本戦を前に、田中が一発芸で盛り上げた。この日は真砂保育園の園児60人が見学に訪れ、ミニゲーム前、FW森島康仁(27)が、名波監督に「罰ゲームは一発芸で園児を笑わせましょう」と提案。敗戦チームから、監督指名で田中とGK八田直樹(28)に大役が回ってきた。

 田中

 先輩の八さんにやらせるわけにいかない。何か動けば園児が笑ってくれると思って芸でも何でもないけど、ノリでいこうと。

 ユニホームを脱ぎ、インナーを頭にかぶるとアドリブで変顔とステップを交えたオリジナルダンスを披露。園児は大喜びし、客席のチームメートも大爆笑。すべればメンタルの大ダメージを受けかねない状況を乗り切ってみせた。名波監督は「最高!

 園児を笑わせた時点で合格」と絶賛し、森島も「メッチャいい雰囲気になった。明日の試合につながれば」とたたえた。

 ベテランMF松井大輔(33)からもほめられた田中は「心理的に限界。笑ってくれて良かった…」と胸をなで下ろした。本職のプレーでも初戦の清水戦で決勝ゴールをアシストする活躍を見せており、熊本戦に向け「最終戦はいい感じで締めくくりたい。常に勝つことを意識してアグレッシブに戦う」と芸同様、すべらないプレーを誓った。【岩田千代巳】

 ◆田中裕人(たなか・ひろと)1990年(平2)4月26日、大阪生まれ。G大阪ユース、関大を経て13年磐田入り。ボール奪取力に定評があり、昨年はリーグ5試合に出場。山形とのプレーオフで先発に抜てきされた。