【ドーハ(カタール)21日】日本代表(FIFAランク24位)は23日、大会初戦でドイツ代表(同11位)と対戦する。1次リーグ突破のカギを握る初戦だが、MF守田英正(27=スポルティング)の出場が絶望的となった。

左ふくらはぎの違和感から別メニューで回復に努めたが、思うように調整が進んでいない。ボランチの主力を欠いてドイツ戦に向かわなければならないことになった。

   ◇   ◇   ◇

守田のドイツ戦出場が絶望的になった。合流後は別メニュー調整が続いた。21日の練習では公開された冒頭約15分間ではスパイクを履いてランニングやボール回しができるようになったが、回復には思っていた以上に時間がかかってしまった。15日に合流した際には復帰時期について「ちょっとわからない」と慎重な姿勢を見せていた。

森保ジャパンのボランチ1番手。デュエル王MF遠藤とのコンビが鉄板だった。特に守備面での貢献が大きい遠藤に対し、攻撃参加やパスなど高度な判断力や展開力が守田の武器。ボールを奪ってから速い攻撃を仕掛けるのか、落ち着いてボールを持って崩しにかかるのか、その判断をチームの心臓部として担うのも守田だった。

今季はポルトガル1部の強豪スポルティングに移籍し、欧州チャンピオンズリーグ(CL)でもプレーするなど躍進。日本代表でも中心的存在になり、今大会も活躍が期待される。ただ合流直前の試合で、6月にも痛めた左ふくらはぎに再び不調が出た。「迷惑をかけているのは間違いないので、完全にいい状態に治したい」と話していたが、ドイツ戦の結果が日本の行方を大きく左右する。大会が32チーム制となった98年フランス大会以降、初戦で黒星を喫したチームで、1次リーグ突破は73チーム中8チームのみ。仮に負ければ崖っぷちとなる中、キーマンは間に合わない状況だ。

大会直前に行われた国際親善試合カナダ戦(17日、UAE)では柴崎と田中が先発。後半途中からは鎌田もボランチに入った。遠藤が脳振とうから復帰し出場のめどが立ったことで、ドイツ戦は田中か柴崎がコンビを組むことになりそう。相手は欧州CLの常連バイエルン・ミュンヘンの選手らを多数擁するだけに、守田の復帰が待たれていた。

合流日に「不安は間違いなくある」と語っていた守田。チームの万全のサポート体制でオフ日も返上して調整したが、リスクなく試合のピッチに立てるコンディションには戻せず。カナダ戦で気を吐いた柴崎、田中らのパフォーマンスが、ドイツ戦の勝敗のかぎを握ることになりそうだ。

◆キーマン守田とは 21年3月に2年ぶりに代表復帰してから、ここまで主力として日本代表を支えてきた。W杯アジア2次予選を戦い、最終予選では7試合に出場し、うち3試合がフル出場。本大会出場を決めた3月24日オーストラリア戦でも90分通してピッチに立ち、勝利に貢献した。また6月のブラジル戦を含む4試合を戦う代表活動にも招集されたが、左ふくらはぎ痛で途中離脱していた。

今年7月にはポルトガル1部のサンタクララから、同じリーグの強豪スポルティングへ移籍。ここまでリーグ戦12試合に出場し、3得点をマークしている。9月7日には、アイントラハト・フランクフルト戦で欧州チャンピオンズリーグ(CL)に先発し、初出場。後半20分に先制ゴールをアシストするなど2得点にからみ、最高のデビュー戦を飾った。新天地でも欠かせない存在となっている。