“ウィリアムス兄弟”が初戦で明暗を分けた。兄のガーナFWイニャキ・ウィリアムス(28)は24日のポルトガル戦に先発フル出場したが、ゴールを奪えずに2-3で惜敗。24時間前に7-0で大勝したコスタリカ戦に途中出場した弟のスペインFWニコ・ウィリアムス(20)に続く、白星発進とはならなかった。

父親がガーナ出身で、リベリアにルーツを持つ母と、30年ほど前にスペインに移住した。兄弟はともにスペインで生まれ育ち、現在も同じスペイン1部のビルバオでプレーしているが、W杯を控えて、兄イニャキはガーナ協会から国籍変更の打診を受けていた。

イニャキは203試合連続出場のスペインリーグ記録を更新したスター選手だが、16年5月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でのデビュー以来、スペイン代表に招集されていなかった。ガーナを訪れた際に祖父に「ガーナ代表でプレーする孫を見るのが夢だ」と聞かされ、今年7月に自身のツイッターで「ガーナにルーツを見いだすときがきた」と国籍変更を表明した。

イニャキが9月23日のブラジル戦でガーナ代表デビューした2日後、弟ニコも欧州ネーションズリーグのスイス戦でスペイン代表デビュー。W杯代表に滑り込んだ。国籍は異なるが「心の中に2つの国を持つことは可能だと思う」とイニャキ。ともに1次リーグを突破し、決勝トーナメント1回戦に勝てば、ベスト8で兄弟対決が実現する。