日本代表の西野朗監督(63)がコロンビア戦で攻撃的に、日本人としては岡田武史氏以来、2人目となるワールドカップ(W杯)の指揮を執る。決戦前日の会場で公式会見に臨んだ指揮官には、自信と余裕があり、言葉も力強かった。脚の不安を抱えている岡崎について、自ら切り出し「昨日、今日と(状態を)チェックをした中でメンバーには入っていますので、心配なさらないでください」と断言。入れ替えは行わず、絶対的な存在としてともに戦う覚悟を決めた。

 就任からわずか約2カ月半。技術委員長として前体制下で約2年間チームを見てきたが、電撃的な監督交代でチームを預かり、活動を開始したのが5月21日。実質約1カ月で、W杯初采配を迎える。一方、相手のペケルマン監督は前回大会も率い、4年の準備期間がある。この事実にも「時間的な準備の差を感じたら、勝てない。十分戦えるスピリットを持ってサランスクに入ってきた。自信を持ってピッチに立ちたい」と攻撃的な姿勢で立ち向かう。

 未明には日本で地震が起きた。「関係している選手、動揺している選手がおります。心理的、精神的なところが一番気になるところ」。さらに、ほぼ時を同じくしてホテルの警報機が誤作動。15分鳴り続けたという。「デリケートな選手は、毎朝見る顔と違って、寝不足もあった」と心配事もあるが、勝って乗り越える。会見の最後に「スパシーバ(ロシア語でありがとう)」と余裕を示し、締めた。【八反誠】