ワールドカップ(W杯)で11日にモスクワのルジニキ競技場で行われた準決勝イングランド-クロアチア戦で、クロアチアのサポーターが「ありがとう ロシア」とロシア語で書かれた長さ約50メートルの横断幕を観客席で掲げ、順調な大会運営を続ける開催国ロシアに感謝を示した。

 7日の準々決勝でクロアチアがロシアに勝利した後に、クロアチア代表DFのビダ選手が「ウクライナに栄光を」と叫ぶ映像がインターネット上で拡散。ウクライナ南部クリミア半島を強制編入したロシアを意識した発言と受け止められ、ロシア国内で反発が広がったほか、国際サッカー連盟(FIFA)がビダ選手に注意を通告するなど問題化したが、横断幕掲示はこの問題とは関係ないという。

 インタファクス通信によると、横断幕を掲げるプロジェクトに関わったクロアチア人サポーターは「ロシアのもてなしと数々の試合に感謝したかった」と語った。横断幕は試合に先立ち、モスクワ中心部の勝利広場でも掲げられた。