暴力や人種差別など、フーリガンと呼ばれる過激なサポーターによって引き起こされる事件は枚挙にいとまがない。

 特にイングランドのクラブを応援するサポーターたちの、時に度を超えた熱狂ぶりは、警察の出動へとつながることも珍しくない。

 中でも、スタジアムへの行き帰りの電車ではトラブルが多発する。先日もパリの地下鉄で、チェルシーサポーターが黒人男性に対し、人種差別的なチャント(掛け声)を発しながら、乗車を妨害するという事件が起きたばかりだ。

 それではイングランドの中でも、どのクラブのファンが1番過激なのか。英サン紙(電子版)が、英国鉄道警察の発表を紹介している。

 発表によると、12-13、13-14の2シーズンにかけ、サッカーファン絡みの電車での事件は計1027件。

 うちイングランド2部リーズのサポーターが関わったものが77件で断トツの1位だった。

 2位が2部バーミンガム(40件)、3位がマンチェスターU(36件)、4位が2部ノッティンガム・フォレスト(35件)、5位がマンチェスターC(30件)…となっており、2位のほぼ倍の事件を引き起こしているリーズファンがいかに凶悪か!? ということが分かる。

 リーズのサポーターはもともと良い意味でも悪い意味でも過激で知られていた。ライバル関係にあるマンUやチェルシーのファンとの乱闘は数知れない。

 一方で03年にチームを率いた元イングランド代表MFのピーター・リード氏(58)は「(1-4で敗れた03年11月の)アーセナル戦でのファンのサポートは、30年間で見たこともないようなものだった。リーズのファンは最高だ」と証言している。

 リーズは3度のリーグ制覇を誇る古豪。00-01シーズンの欧州チャンピオンズリーグでは4強入りも果たしている。

 しかし、その後は財政難におちいり、04-05シーズンは2部落ち。07-08から3季、3部も経験した。現在もプレミア復帰の夢はかなっていない。

 もともと熱狂的なファンが、チームの成績不振でたまりにたまった不満を吐き出し続けているのが「警察ざた77件」という数字につながってしまったといえるだろう。