なかなかダイエットが成功せずに悩んでいる一般の方に参考になるかどうかは不明だが、英国に住む212キロのサッカーファンが、体重を半減させることに成功した。

 男性はノリッジ・サポーターのリー・クーラハンさん(33)。クーラハンさんが14年1月に敵地グディソン・パークで行われたエバートン戦に駆け付けたところ、屈辱の出来事に見舞われたという。

 英ミラー紙(電子版)によると、スタジアムに入ろうとしたところ、入り口の回転式ドアの幅が狭すぎ、挟まってしまった。「悪夢が現実のものになってしまった。入り口を通り抜けられなかったんだ」。

 冗談のような話だが、本人にとって事態は深刻だ。後ろには、早くスタジアムの中に入り、選手たちのウオームアップを見たいとウズウズしている約400人のファンが列をなしていた。彼らの冷たい視線が丸々とした背中に突き刺さった。

 結局、2人の係員の助けを借り、なんとか中に入ることはできた。だが、係員たちは救出の際に「太りすぎの男性がいて、中に入れない。特別エントランスを開ける必要がある」と互いに叫び続け、周囲もそのやりとりを失笑しながら聞いていたという。

 愛するノリッジが0-2で完敗したこともあり、絶望のふちに立たされたクーラハンさん。もう2度とあんな辱めにあうまいと、ダイエットを決意した。

 クーラハンさんの体重が増えたのは、出来合いの冷凍食品のどか食いが原因だった。そのため、まずはダイエットを推奨する英国の団体「スリミング・ワールド」に加入。カロリーの計算された健康的な食事を取るようにした。

 さらに今では1週間に4日、1時間ずつジムでトレーニング。別の1日はランニングを行い、週末はゴルフに行くようになったという。

 体重はみるみる減り、かつての約半分となる109キロにまでダイエットすることに成功した。クーラハンさんは「ずっと食べることが大好きだったけど、今では食べ物をおいしく感じるし、体重も減らすことができた」という。

 恥ずかしい出来事に「悔しい」と落ち込んでいるだけでなく、その後、実際にダイエットへ向けた具体的な行動を起こし、成功させてしまう。実はクーラハンさんのそういった人間力、行動力こそが、ダイエット成功の要因なのだろう。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)