イングランド2部(チャンピオンシップ・リーグ)で24クラブ中20位に沈むバーミンガムは18日、解任したジャンフランコ・ゾラ監督の後任として、ハリー・レドナップ氏(70)が指揮官に就任すると発表した。

 バーミンガムは現在、3部降格圏最上位22位ブラックバーンとわずか3点差の勝ち点47。今季は残り3戦で、2部残留をかけて、アストンビラ(12位)、ハダースフィールド(4位)、ブリストル(18位)と戦う。この3試合をレドナップ氏に託した形だ。

 その同氏とバーミンガムの契約内容が面白い。英BBC電子版は「彼の夫人も含め、みんなが『ハリー・レドナップは狂ってる』と思っている」と報じた。

 同氏はBBCラジオの中で「私は無給なんだ。でもまったく問題ない」とタダで監督を引き受けたと明言。さらに「それほど大きな額ではないボーナスはある。だがクラブには『チームを残留させることができなければ、お金はいらない』と言ってある」と続けた。

 これまでウェストハムやトットナムを率いてきたレドナップ氏は昨季、2部ダービーのアドバイザーだった。そこでも「もし1部昇格プレーオフに出場できなければ、お金はいらない」と宣言。昇格こそかなわなかったものの、クラブは5位でプレーオフに進出した。

 同氏は15年2月にクイーンズパークの監督を辞任して以来、イングランドのクラブを率いていない。だがバーミンガムの2部残留に自信を見せる。

 「(FA杯を合わせて)ここ24試合で2勝しかしていないクラブを率いるのは簡単ではない。だが自分たちを信じ、チームを信じることが大事。これまでもこんな状況は何度も経験してきた。準備はできている」。

 はたしてレドナップ氏は「あまり大きな額ではない」というボーナスを受け取ることはできるのだろうか。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)