元なでしこジャパンFW川澄奈穂美(31=シアトル・レイン)が米女子サッカーの歴史に名を刻んだ。

 川澄は13日(日本時間14日)、ホームのメモリアル・スタジアムで行われたワシントン・スピリッツ戦に右FWとして出場。1ゴール4アシストなどチームの全得点に絡み、6-2の勝利に貢献した。

 シアトル・レイン公式サイトによると、川澄の4アシストは米女子サッカーリーグNWSLの1試合最多記録。この日は米国代表FWラピノーの速い左クロスにゴール前で右足を合わせて今季初得点もマーク。文句なしでプレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選出された。

 川澄へ周囲からの信頼は厚い。米国代表として119試合に出場し、31得点を挙げているラピノーは「ナホは本当に世界でも屈指のパサーだと思う。私たちはいつだって分かっている。走れば、そこへボールが出てくることを」。

 また川澄のアシストで先制点を挙げた米国代表MFネアーンは「ナホがハードワークをして(ボールを奪って)、ダイレクトで打てる位置に、完璧なパスをくれた」と感謝した。

 なでしこジャパンの指揮官が佐々木則夫監督から高倉麻子監督に代わって、川澄はメンバーに選ばれなくなった。だが今季シアトル・レインでは全5試合で450分間フル出場。イキの良い若手中心の選手構成だから、ベテランの川澄は必要ないという理屈は当てはまらない。

 「元なでしこジャパン」とはいえ、米メディアではまだ「Japanese international(日本代表)」の肩書がつく。日本でも多くのファンがもう1度、日の丸を背負って欲しいと思っているはずだ。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)